Natural Born EZOist

チャリとオヤジと時々目玉

登る「海の日」

2022/07/18

今日は海の日、祭日である

私の勤める某Dラーは祝祭日は定休日

占冠の雄、GTO氏から連絡が入っていたのだ

「月曜日の天気予報、上富良野だけ降らないっぽいのぜ」

 

ちょっと待て、私も家庭のある身である

大切な祝日、家族に確認せねば

即決は出来ない身なのを許しておくれ(フラグ

 

帰宅後に奥様に確認

「私は仕事だよ」

息子にも確認

「昼から部活」

娘にも確認

「朝から部活だし」

 

予定が無いのはお父さんだけの様です

悲しくなんか無い、私には自転車がある、そして友がいる

8時に日の出公園集合!

じゃ、俺は上富良野に行ってくるぜ!

「どぉぞご自由に」

 

GTO氏からの返信で気になる点があった

「村の健脚連れてくゼ!」

ほほう、刺客を投入するとな

 

一方その前日、旭ヶ丘HCで話題をかっさらったI林姉さん

我々も9時発すっぞ、ゴルァ!!

やまたけは思った

「海の日に山登りするヤツばっかぢゃねぇか・・・」

 

何やら面白い事になってきた、いや、確実に面白い事しか起きない

 

7:30、GTO氏、そして「村の健脚」到着

9時発のI林パーティーを待つべくウォーミングアップを兼ねて千望峠へ向かう

本日の健脚、、、だと?

なんと「村の健脚」ことGTO氏の刺客はアメリカンな男

その名もティンバー!

身の丈7尺に迫る勢い

それよりも何よりも、身体の50%が股下というプロポーション

これがワールドスタンダードなのか?

 

長い脚がクランクを回す度に風切り音が聞こえる、気がする

そしてティンバー、健脚なんてモンぢゃない、剛、剛そのものである

鼻歌交じりに千望峠を駆け上がる

彼の国では多分、千望峠は「小高い丘」レベルなのだろう

 

ウォームアップで脚が焦げつきそうなやまたけ

「もうそろ、誰か来てるんぢゃね?」とどうにか戻ろうと試みる

政治とコメの繋がり

YamaichiマスターS藤氏からメール

「だいすけ氏も向かったぜ」

釘の匂いがより濃厚になってきたぞ・・・

 

日の出公園に戻ると数名が既に集まっていた

徐々に明らかになる本日のメンツ

疑惑が確信に変わり、血圧が下がってくる

今日は釘パーティー

T田さん、トイレ中だった

本日のお品書き(メンバー)

GTO

ポンプ忘れた、アイウェア忘れた、DH用のウィンドブレーカー忘れた

やまたけとの約束を忘れなくて本当に良かった

・ティンバー

GTO氏の送り込んだ国際色豊かな刺客、超温泉好き

見た事ないデカいフレームのキャニオン、グリズルにて参戦

以下、I林組の皆さま

・I林姉さん

まさかと思ったが、今日はロードバイクで安心した

もちろん大根は今日は封印、姉さんは本気だ

・N島くん

飛んでけロケッティア!色々付いたブルべ使用のクソ重たいエアロロードだが

彼のロケットエンジンの前には爪楊枝程度のハンデでしかない

・A田アニキ

夜行性のアニキ、朝は苦手なご様子

ロックな男のスカした自撮り写真構図は密かなブームとなってきている

・T田さん

午後から別件で予定が入っているってのに参戦してくれたT田さん

I林姉さんに脅されたか、サイクリスト性酸素欠乏症ステージ4のどちらか

・GAKU君

「来年の旭ヶ丘はもう始まっている」燃える実行委員長

ティンバーのキャニオンに「小型のロバと同じ位」という謎の比較対象を持ち出す

そしてスペシャルゲスト

・佐藤だいすけ氏

上富良野町自転車観光大使(勝手に任命)

午後からテニスの予定もあるってのに登るか・・・ステージ5確定

 

さぁ、行こうぜ!酸素の薄い蝦夷イチ高いあの場所へ!!

 

遠近法を無視するティンバーの存在感

走り出したら止まらないぜ

スタート直後からN島ロケット発進!

追ってだいすけ氏、GAKU君、ティンバーが続く

え?やまたけ?

ペースキープ

黙々と登る、コレ、凄く重要

追わない、逃げない、止まらない

誰だっ!?つまんないとか言わないの!

 

中盤~後半にかけてティンバーの背中が近づいてくる

そうか、ティンバー、やはりお主も人間よのう・・・

と射程圏内に捉える

ティンバーが振り向きやまたけの存在を確認

軽く手を挙げピースサイン、その直後まさかの

フル加速、まごう事無きフル加速

一気にゴマにされる、ティンバー・・・Why?・・・

ココから斜度アゲアゲなパーリーゾーン!

ロケッティアN島くんがカメラを構えて皆を撮影してくれた

多分、一回登ってから撮影に降りてくれてるのだろう、底が知れない

 

しかし何故、自ら進んで「辛い事」をするのだろう

もう止めたい、投げ出したい、休みたい、泣きたい、呑みたい

ありとあらゆる願望が浮かんでは消える

というより、シュワーって感じで蒸発していくのだ

細かい事を考える為のほんのちっぽけなエネルギーすら

この脚に、肺に、心臓に注ぎ込み、そして進む

トップチューブは顎から落ちた汗でベチャベチャになっている

何度も登っているのに終わりが想像できない、多分記憶が無いのだろう

重力に抗え!ってか痩せろ!

霧(雲?)が濃くなってくる

気が付けば何故か旭岳にワープしてるとか

異世界に転生しているとか

三途の川を渡っているとか

とにかく、そんな事が起きても不思議ぢゃない位の視界となる

ティンバーの股下、私のCAAD12がスルーできる

結局ティンバーを捉える事が出来ずにゴール

「You are strong」

母国語すら怪しいやまたけの精一杯の一言

・・・ティンバー?何喰ってんの?

フレームバッグからおもむろに取り出したのは

ポテチ(チーズ味)レギュラーサイズ

補給食すら規格外だぜ、ティンバー!!

もう好きが止まらない、今度私もやってみよう

いや、フレームバッグ付けて登らないよな、うん

パーティーはこれからだぜ

ココからは登ってくる勇者達を励ます時間

最後の最後までエールを送る

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「タヒぬ気で踏めぇぇぇぇ~!」てのが何故か「タヒねぇぇぇ~」となり

叱咤激励が罵詈雑言と変貌する瞬間である

最終局面でむやみにケイデンスをアゲようとするこの「イッキ登り」コールは

上昇負荷に耐えきれず命を落としたサイクリスト達の過ちを

二度と繰り返さない為にも、法で規制するべきだと声高に主張する者も多い

知らんけど

半透明になっている人もいるとかいないとか

登ってしまえば皆、笑顔

喉元過ぎれば何とやらってヤツである

 

今日という物語はまだ終わってはいない