Natural Born EZOist

チャリとオヤジと時々目玉

死闘

MTBを手に入れて初めての冬がやってくる

噂は既に聞いていた

「冬でも自転車は遊べる」

 

冬の自転車と言えば、

命知らずの向こう見ずな高校生と

命僅かな前しか見てないご高齢のどちらかであったが

図らずもその仲間になろうというのか?

 

ザクとは違うのだよ

私の愛機はサドルMaxLowでチェーンが真っ赤にサビたママチャリではない

しっかりと「冬仕様」にして安全に走る事を念頭においたものにせねばならぬ

 

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スパイクタイヤっ!

安全は足元からである

偉そうに言ってはみたモノの、

タイヤ以外はバイク本体に手を加える必要無くね?

思っても決してツッコんではいけない事実がそこには確かにあった

 

早速交換である

プシュ~っとエア抜いて、ビードを落として♪

ん、ビードを落として・・・・っ・・落と・・し・・・

 

全っ然落ちない

受験生に試験の際にお守りとして持たせてあげたいくらいに落ちない

昔、サルが学ラン着たぬいぐるみで「おちないくん」ってのがあったのを思い出した

 

掴んで、ひねって、踏んで、踏みつけて、また掴んで、ひねって

もう、握力が230g程度しか無くなるまで戦い続けたのだ

 

外すだけで既に瀕死状態である

カメラを構えるエネルギーすら残っちゃいない

当然、次はタイヤを嵌めるという工程が待っている

まぁ、組付は握力無くてもタイヤレバーがあるから大丈夫べ・・・

 

甘かった

水ようかんに上白糖とハチミツかけた以上に甘かった

多分、27.5インチではなく27.2インチしかない、そうに決まっている

タイヤレバーが見たこと無いくらいしなっている

松方弘樹 vs カジキマグロ」くらいしなっている

 

悪い事は言わない

コレはショップにお金出してやってもらおう

お金は正しく使わなければ、次の日ボールペンを握る事もままならなくなる

溢れる財力がある方はホイール買ってしまうというのも一考の価値が十分にある

 

まさに死闘であった

朝のうちにチャチャッと片付けて、走りに行こうと思っていた私

既に昼飯時を過ぎていた

それよりも何よりも、もうブレーキレバーすら握れない

油圧ブレーキだからとか、そういった問題ではない

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握力は32gを切っている

ため息をつきながらエアを入れる

「ビキっ!パキっ!パンっ!」とビードがリムにハマる音が聞こえる

「良かった、チューブは傷めてなさそうだ」

一周確認する

・・・・

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内臓がハミ出とる・・・

見えない、何も見えない

何も考えたくない、今はもう、眠りたい・・・・

 

しばらくの間、涙がこぼれない様に上を向いていた

 

涙が枯れ果てた頃には、握力も少し回復していた

まだ戦える

 

リムに昔、彼女を寝取られたかの如き憎悪の念だけでタイヤとの仲を引き裂く

リムテープを怒りのあまり、引きちぎってしまった

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もうね、ゴリラよ、ごりら

昨今、リムテープは張り付けるタイプのものも多いと聞く

じゃ、コレだね、丈夫な事まさに山のごとし

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多分、チューブレスいけるぞw

これで「はみ出す」なんて野暮な事は物理的におきないぜ

 

再度タイヤ組付が待っている

タイヤレバーが弾性域限界ギリギリでしなりまくっている

メチャ薄くて固い、新素材の長いタイヤレバーがリリースされたら、即買いである

 

最初の年にしこたま苦労したので

事ある度に思い出し、何か良い方法はないか考えていたのである

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木工DIYerが好んで使うクランプ

コイツでタイヤとグイッと掴んでみよう!

とやってはみたが、、、、イマイチ

そんなある日、工場系男子のピューロランド「アストロプロダクツ」で見つけてしまったのである

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バイク用ビードブレイカー!

専用工具である、頼もしすぎる

コレでダメなら、何ならイケるんだい?状態、まさに最強の伝説の武器である

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工具は正しく使いましょう

かいしんのいちげき

こいつは素晴らしい破壊力である、まさにビードブレイカー!

価格も決して高くはないので強烈にオススメである

ロトの剣のごとき最強の専用工具を手に入れてからというもの、

毎シーズンのタイヤ組替に強烈な嫌悪感は無くなった

組付も何度か繰り返しているうちにコツもつかんできた感がある

 

ただ、いくら知り合いでも「やってあげるよ」とは言えない

黙ってこの専用工具を差し出すだけである

タイヤレバーのリリースはまだ、無い