Natural Born EZOist

チャリとオヤジと時々目玉

カミヒル2022、始動

2022/05/24 

蝦夷地、とりわけ旭川界隈に生息するサイクリストにとって

正に登竜門的な位置づけとなる場所がある(自社調べ

ezotional.com

そう、霊峰「十勝岳である

ロードバイクで登る事ができる、蝦夷地で最も高い場所

上富良野側からのルートを皆は「カミヒル」と呼ぶのだ

 

酸素欠乏症で少し脳がヤられちゃったクライマー達が

今シーズンに入って、既に何度もチャレンジしている

そんなん、私も行かねばならんだろう

謎の使命感を胸に抱き迎えた朝

息子からのLINE、直で私にとは珍しい

「バッシュ忘れたから届けてくんない?」

 

・・・・・え?・・・いや、マヂか・・・

無いわぁ~~~

速攻でシャワーを浴び、朝食をかき込む

感覚的には「頭洗いながらヒゲを剃り、味噌汁をすする」かの如し

玄関に転がる主に忘れられたバッシュケースを

むんずと掴み上げ、往年の刑事ドラマよろしくクルマに飛び乗る

遠いのよ、片道30min、運転は法定速度で安全運転

左折時はもちろん、事前の巻き込み確認

 

くそっ!9時には上富良野入りして走ろうと思ってたのに!

風呂上がりに一瞬の迷いがあったが、どうせレーパン履くし

コンビニもどこも寄らないし、誰とも会わない

直ハーフパンツがやけにスースーする

軽蔑してくれても構わない、少なくとも今日、この瞬間だけは

 

私はこれから十勝岳に登るのだ

 

きっちり60minを消費して一時帰宅

レーパン履いて、心拍計巻いて、ジャージ着て

う〇こすんの忘れてたから軽量化して

バイク積んで、シューズ!サイコン!グローブ!メット!ポンプ!ボトル!目玉!

思えばライドに向かう準備もだいぶ手慣れたものだ

スタートはいつもの日の出公園

駐車場に見覚えのある車両が一台、レジェンドN西さんだ

「あぁ、登ってらっしゃるのね」

さぁ、行こう!カミヒル2022、シーズンインである

内緒にする気もないのだが、最近体重が順調に右肩上がりである

ダイエット目的で始めたロードバイクだが

綺麗な逆放物線を描き、現在ふりだしに戻っている

これは日頃の肝臓トレーニングの賜物であり、普通にバイクに乗ればちゃんと痩せる

 

きっと、辛いんだろうな

 

火を見るより明らかとは正にこの事

結果は最初から見えているのにも関わらず登る

それがサイクリスト型酸素欠乏症の主症状の一つである

緑が美しい、まだこの辺りは酸素多め(当社比

しかし何度登っても辛い、慣れなど存在しない

「決して楽にはならない、速くなるだけである」とグレッグ・レモン氏も言っていた

速くはなっていない、重くなっただけである

しばし放っておいてほしい

 

私には好きな言葉がある

「諦める」という事はいつでもできる

だが「諦めない」という事は、今しかできない事である

長く辛い登り、汗が止めどなく滴り、心拍数は180rpmを越えている

もう何km前からギヤを使い果たしたであろう、軋む身体、折れそうな心

「なんでこんな事してんだろ?」と自問自答を繰り返す

天使と悪魔が、いやここに天使はいない、正に悪魔の独演会である

 

髪の毛一本でなんとか心を繋ぎ留め、愚直にペダルを回す

最後の最後に現れる13%越え区間

歯茎から滲む「釘の味」

去年よりカーブ増えてない?

距離伸びてない?

斜度上がってない?

酸素の行き届かない脳は

「そんな訳ないケドそう思う」ランキングTOP3の幻覚を私に魅せてくれる

やまたけ汁 つゆだく

無事登頂!

登り切った瞬間に感じる「魂の開放」←ちゃんと生きてる

全ての景色に「色が戻る」瞬間である

辛かったさっきまでが「チャラ」になる

サイクリストあるあるのタトゥー

凌雲閣名物のコカ・コーラを飲みながら汗を乾かす

なんで左足のココにチェーンリングが触れたのか、良く判らん、記憶梨

レジェンドN西氏も到着

70過ぎてもまだ登る、正にレジェンド

カミヒルは通算でもうすぐ100回に迫る

下りは寒いぜ、ちゃんと着込む

N西氏と2ショット!

さぁ、楽しい下りだ!・・・いや、カミヒルの下りは楽しくは無い

どちらかと言えば恐怖が勝る

ノーブレーキだと簡単に60kmオーバー、重さは速さに直結するのだ

コーナー手前でしっかりブレーキ、私は結構なビビリなのだ

 

日の出公園へ無事生還、もう腹減って目が霞んできた

いつものYamaichiさんで報告兼ランチである

yamaichi.club

Yamaichiさんに設置されているボード

4/10は異常な早さである、まだ頂上付近は積雪になる事もある時期だ

それにしても、既に4回とかw

ブッ飛んだネジはもう見つからない

あまりの空腹に、食べる前に撮るの忘れた私

五臓六腑に染み渡る!安定のランチメニューである

何度食べても飽きない、むしろまた食べたくなる中毒性を秘めている

 

N西さんもやって来てしばしの談笑

人生経験の長さはネタの多さ、大いに笑わせて頂いた

 

私がまだカミヒルに挑む勇気すら持てなかった頃

例の如く、ココYamaichiさんで知り合ったN西氏

「あんまり考えこまないで、いっぺん登ってみたら良い

ダメだって思ったら、やめて帰って来たら良いんだわ」

あっけらかんと私に話してくれたのを思い出す

あの頃は「このオッサン、何簡単に言ってくれてんだ?」と思ったが

今となっては私も同じように話すだろう

ゴールにはスタートした者しか辿り着けないのだ

 

ちょっと寄り道して帰ろう

いとエゾし

黄色い絨毯

北西の丘ではキガラシが満開、蝦夷の春から夏への季節の流れを感じる

www.biei-hokkaido.jp

 

さてさて、今年初のカミヒルの結果はコチラ

体重落とせってハナシはなし

2 年前のベストからは9minか、、、、

やっぱり、自分の軽量化が一番だよな

バイク1台分じゃきかない位のウェイト差・・・・無情

と、反省しながら呑む酒は

本当に旨いものだ