10歳の子供にとっての1年間は人生の10%の時間だが
40歳のオッさんにとっての1年間はたったの2.5%でしかない
だから大人になるにつれて1年が短く感じる
時間というものは絶対的なものではなく、相対的に決まる要素があるらしい
冬にも自転車に乗るようになって
「蝦夷の冬って意外と短いのでは?」と感じ始めていた
「そうだ、層雲峡へ行こう」
どこかで聞いたようなフレーズが頭をよぎったのと
あまりの好天に誘われて上川町へクルマを走らせた
ペダルを回して目に入る風景は
普段クルマで見る景色とは全く色味が違う気がしてならない
今まで雪景色とはモノトーンに極めて近いものであると認識していたが
こんなにも色鮮やかな世界だったのかと感動を覚えるのである
カーブミラーを上手に使って自撮りしている写真を見て
どこかで試してみたいと思っていたのだ
しかし、探してみるとなかなか「綺麗な状態のカーブミラー」というのが少ない
大抵、どこかに凹みがあって景色が歪むのだ
もう少し大きく映るミラーを探していたが
どれもこれも、ものの見事に凹んでいた
層雲峡まではずぅ~っと緩い登りである
気温は上川町より3~4度は低い
鼻毛のくっつき具合で体感的に判るのが蝦夷っ子である
さすがに夜にここまでチャリで来る勇気が持てない
さ、メシ食おう!と、お客様の営むラーメン屋さんに向かったが
タイミングが悪くお休みであった
一度「ラーメン食べよう」と考えてしまうと、どうしても諦めきれないのは私だけか?
口の中がラーメンしか受け付けないモードになっている
無事にオープンしているラーメン屋さん発見!
後にお客様から聞いたが、どこか一軒は必ず開いているように調整しているとの事
塩麴を使った塩ラーメン、もちろんカロリーゼロ扱いでOKだ
外がひどく寒いので、カロリーは満足に活動できない
ゆえに実質カロリーはゼロである
せっかく層雲峡まで来たので、もう少し奥まで走ろう
冬の滝、正に「氷瀑」を拝む
全く動きは無いが、自然のダイナミックさを感じる
さて、帰り道
層雲峡まではずぅ~っと登り
という事は
上川町への帰りはずぅ~っと下りである
テムレスの下に冬用グローブを装備して長い下りに備える
十勝岳のように十数分で終わるのであればテムレス1双で充分だが、
30分を越えてくるとアルミのブレーキレバーからも手の熱が奪われていくのが判る
蝦夷とはそういう環境である
ペダルもあえての樹脂製を使用する人もいるのだ
「そんなの自転車に乗る環境ではない」
ごもっとも
だが、そこで乗るのがまた楽しいのだ
漬ける薬は無いと心得よ
パッと脇に目をむけると鹿がおる
K野師匠が野生動物と仲が良いのは、我々界隈では有名な話だが
2頭の鹿は私には全く興味を示さず、ガン無視されたのであった
延々と下りとはいえ、雪道は惰性だけでは進まない
上川町に到着する頃には小腹が空いてしまった
お目当ては「よもぎの里」であったがやはり人気商品
午後2時頃に行ったが売り切れであった
家族へのお土産も兼ねて(どの味にするか決めきれなかった)
パウンドケーキを購入!
ただでさえ歳を重ねて、相対的に1年が短く感じられるようになってきた上に
夏も冬も楽しい事に夢中になりすぎて、あっという間に毎日が過ぎていく
小学生の頃のように、毎週の休みがいつも楽しみ過ぎる
老化どころか、童心に帰っていくような気がしていた
もうすぐ天からお迎えが来るのか?俺!?
「人生は自転車のようなものだ
倒れないようにするには走らなければならない」
頭で理解するものではなく、自らの体験から感じ取るものなのかもしれない
その日の夜中、身体の軋みで夢から覚めた
やはり脳内フローラだ、確実に年老いている
しかし、この痛みもなんとなく「心地良い」と感じてしまうのは
やはり頭ん中がお花畑になってしまっている何よりの証拠である