Natural Born EZOist

チャリとオヤジと時々目玉

モノの見方

「やまたけはロードバイクに乗っているらしい」

そんな話が私の生活範囲の中で徐々に広まりだしていた

私を知っている人間は、「きっと少しは自分でイヂるんでしょ?」と軽く察しはつく

そんなある日、なんやら訳のわからんロードバイクもどきが突然やってきた

「ペダル回すと変な音が鳴るんです」というご用命

f:id:Ezoist:20220310211933j:plain

ドッペルギャンガーの古いロードバイク、ペダルを回すと・・・・ヤバい

ペダルを回してみると・・・・ってかスムーズに回らない、ガクついている

こりゃBB(クランクの根本の部分、ボトムブラケット)が逝っちゃってます

では早速、分解してみよう!

え?分解?もちろんした事無いよ!

ん?大丈夫か?って?

何が?何で?

私はソコでは全く躊躇しない、だってもう既に「壊れている」のだから

分解という行為は「壊す」とは似て非なる行為と私は認識している

 

何がダメになっているのか?

ドコまでダメになってしまったのか?

何をすれば治るのか?

 

その見極めを行うのが分解という行為である

壊れているという事実にはあまり興味は無い

それは既に知っている、そんな事よりも

正常な作動とは何か、なぜ壊れてしまったか、という事を知りたい

f:id:Ezoist:20220310213654j:plain

BBを分解すると、二度と集まらないドラゴンボールが・・・

メンテナンス不良という言葉で片付けて良い物なのか・・・・

絶望的に壊れている

正常な状態が判らない状態である

f:id:Ezoist:20220310214000j:plain

出土した土器ではない、数分前まで自転車の構成部品だったのだ

ベアリングの玉が丸くないとかwwwwww

f:id:Ezoist:20220310214207j:plain

ベアリングを抑えるワンと呼ばれる部品にも亀裂が・・・

完全に逝っている

コイツはもう手に負えない・・・・持ち主に連絡しよう、、、、ん?

目線の先にあったのは親父から取り上げたMTBもどき

BB付近の構造が似ているな・・・

よぉ~し♪

早速バラしてみようっ!ふふふふ

f:id:Ezoist:20220310214827j:plain

外したワンもベアリングもピッタリ同サイズやん♪

f:id:Ezoist:20220310214931j:plain

シャフトも一見違うように見えるケド、移植可能!

「乗りたくて持ち込まれた壊れた自転車」と

「壊れていないがこの先乗り手はいないであろう自転車」

救うべきモノは明確である

MTBもどきはドナーとなったのである

f:id:Ezoist:20220310215410j:plain

清掃したベアリングに何とも言えない色のグリースが食欲をそそる

f:id:Ezoist:20220310215517j:plain

いい加減とは決して適当ではない、良い加減である

ベアリングの組付というモノは「ちょうど良いポイント」をどう探すかが鍵となる

プレロードとかプリロードとか与圧とか色々呼び名はあるが、要は

「ガタが無く、スムーズに回転する」というポイントを探るという作業だ

ここでとても意外なモノが役に立った

 

過去に車高調を組んだ車に乗っていて本当に良かった

この工具が無ければ、多分絶対詰んでいただろう

実に良い仕事をしてくれた

ママチャリを整備しようと思っている人は1本持っていても損はない、知らんけど

 

かくしてドッペルギャンガーは復活した

チェーンやシフトケーブルは一応一通り確認はしたが、清掃とグリスアップで十分使えそうだ

 

金にならないが、こういった野良整備はなかなか勉強になる

生きた教材と呼ぶべきだと思うが、

今回の教材はいきなり心肺蘇生から始まり臓器移植を行うという

初心者整備士にとっては少々重荷であったと思われてならない

しかしチャレンジして良かった、経験値となったのだから

 

人生に障害は付き物である

ハードルを恐れていては成長できない

そしてハードルは高ければ高いほど

くぐりやすいものである

 

to be continued