「やまたけはロードバイクに乗っているらしい」
そんな話が私の生活範囲の中で徐々に広まりだしていた
私を知っている人間は、「きっと少しは自分でイヂるんでしょ?」と軽く察しはつく
そんなある日、なんやら訳のわからんロードバイクもどきが突然やってきた
「ペダル回すと変な音が鳴るんです」というご用命
ペダルを回してみると・・・・ってかスムーズに回らない、ガクついている
こりゃBB(クランクの根本の部分、ボトムブラケット)が逝っちゃってます
では早速、分解してみよう!
え?分解?もちろんした事無いよ!
ん?大丈夫か?って?
何が?何で?
私はソコでは全く躊躇しない、だってもう既に「壊れている」のだから
分解という行為は「壊す」とは似て非なる行為と私は認識している
何がダメになっているのか?
ドコまでダメになってしまったのか?
何をすれば治るのか?
その見極めを行うのが分解という行為である
壊れているという事実にはあまり興味は無い
それは既に知っている、そんな事よりも
正常な作動とは何か、なぜ壊れてしまったか、という事を知りたい
メンテナンス不良という言葉で片付けて良い物なのか・・・・
絶望的に壊れている
正常な状態が判らない状態である
ベアリングの玉が丸くないとかwwwwww
完全に逝っている
コイツはもう手に負えない・・・・持ち主に連絡しよう、、、、ん?
目線の先にあったのは親父から取り上げたMTBもどき
BB付近の構造が似ているな・・・
よぉ~し♪
早速バラしてみようっ!ふふふふ
「乗りたくて持ち込まれた壊れた自転車」と
「壊れていないがこの先乗り手はいないであろう自転車」
救うべきモノは明確である
MTBもどきはドナーとなったのである
ベアリングの組付というモノは「ちょうど良いポイント」をどう探すかが鍵となる
プレロードとかプリロードとか与圧とか色々呼び名はあるが、要は
「ガタが無く、スムーズに回転する」というポイントを探るという作業だ
ここでとても意外なモノが役に立った
過去に車高調を組んだ車に乗っていて本当に良かった
この工具が無ければ、多分絶対詰んでいただろう
実に良い仕事をしてくれた
ママチャリを整備しようと思っている人は1本持っていても損はない、知らんけど
かくしてドッペルギャンガーは復活した
チェーンやシフトケーブルは一応一通り確認はしたが、清掃とグリスアップで十分使えそうだ
金にならないが、こういった野良整備はなかなか勉強になる
生きた教材と呼ぶべきだと思うが、
今回の教材はいきなり心肺蘇生から始まり臓器移植を行うという
初心者整備士にとっては少々重荷であったと思われてならない
しかしチャレンジして良かった、経験値となったのだから
人生に障害は付き物である
ハードルを恐れていては成長できない
そしてハードルは高ければ高いほど
くぐりやすいものである
to be continued