真夜中に突然目が覚める
「どうして今なんだ?」と強い苛立ちを覚える
しかしそんな苛立ちを吹っ飛ばす位の激痛に正に「のたうち回る」
例えて言うと「左の眼玉をスプーンで根こそぎ引き剝がそうとしている様な痛み」
あぁ、またか、またアイツがやって来た(涙
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私にはちょっと厄介な持病がある
それは3~4年周期でやってくる
その周期が数日後に初レースを控えたウキウキな私にやってきてしまったのである
その名は「群発頭痛」
生きている間に味わう事がある三大激痛の一つにも数えられており、
心筋梗塞、尿路結石に並ぶ激痛を伴うものと言われている
本当に「死ぬほど痛い」のだ
嘘のような話だが、発作中に柱に頭を打ち付け続けて血まみれになったり
あまりの激痛にビルから飛び降りたり、銃で頭を撃ってしまったりした人も存在しており
「自殺頭痛」という物騒な異名もある奇病なのだ
一番最初に発作が出たのは確か20代前半、実家から会社に通っていた時だ
明け方3時頃、突然の激痛に目が覚める
左目の奥にとんでもない痛み、まっすぐ立っていられない
横になっても痛い、とにかく痛い、涙と鼻水が止まらない
それまでの人生で経験した事の無い激痛に本気で死を覚悟した
おかんを叩き起こして当番医まで行ったのを覚えている
しかし、しかしだ
発作はせいぜい30分、潮が引くように痛みは全く無くなってしまったのだ
病院に到着した頃には痛みは嘘のように無くなりケロっとしていた
当然診察では、なんぼ力説しても「様子を見ましょう」と言われた
こんな日が2~3週間、しかも毎日続くのである
もう、エルム街の悪夢状態
「眠るのが怖い」という精神状態に陥るのだ
しかもこの期間、一口でもアルコールを摂取すると本当に100%もれなく
2~30分で激痛が襲ってくるのだ
他にも例えば温泉みたいにゆっくり風呂に入ったりしても同様に激痛に見舞われる
死ぬほど痛いのに病院行ったら治っちゃう
この症状の気持ち悪さに、病院嫌いの私もさすがに通院をした
まず疑うのは脳梗塞等の頭ん中の病気
脳神経外科で頭のCTも撮ったがビックリするくらい「何も入っていなかった」w
更に「肩こりから来るモノかも?」と整体に行ってみたが
見事な揉み返しで死にそうにもなった
お次は「目玉の奥が痛いから」と眼科にも行ってみた
視力は2.0、極めてヨシ!眼圧も問題なし
最終的には精神科に紹介状が出た挙句、1錠¥1,000ー(保険適用後)の
「痛い時以外は絶対飲んだらダメよ」ってクスリも処方されたが、
なんせ30分程度で痛みが引いてしまうので
クスリの効能なのかどうか全く判らない
全く何も判らない、あの頭痛は何なんだ?
もう不安しかない
そんなある日、奥様が突然
「ちょっとコレ見て!」と群発頭痛の紹介ページをパソコンで見せてくれたのである
痛みの質、発生条件、発作の特徴などなど
どれを見てもドンピシャである、しかも
という所まで調べてくれていたのである
光明が差すとは正にこの事
すぐに診察を受ける
お医者さんからの問診、私は症状の出方、痛みの質や発生頻度等をどんどん伝える
うんうんと頷くお医者さん、からの
「典型的な群発頭痛で間違いなさそうです」
からの一言
「とても辛いは思いますが、命に別状は全くありませんから安心してください」
この言葉に本当に救われた、マヂで涙が出そうになったのだ
原因も判らない上、処方されている薬も全く意味不明
でも毎日続く激痛、とんでもないストレスであった
それがその日、全て開放されたのだ
家に帰って奥様に抱き着いた記憶がある
正に「命の恩人」である
どこの病院に行っても全く判らなかった症状を
一つ一つ調べ(当時のネット検索なんぞ程度が知れてるw)て
答えを見つけてくれたのである
その日の未明も頭痛が襲ってきた
しかし私は耐えられた
「この痛みの原因を知っている」から不安が無い
30分、たった30分耐えれば大丈夫なんだ
そうして発作時期は通り過ぎ、平穏な日々を過ごし
毎日呑んだくれていたのだ
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そんな中、初レース直前に発作時期突入
さすがに「そりゃ無いぜ」状態であったが、こうなっちまってはしょうがない
初レースはDNS決定
運命を呪ったが
GWに入って娘と近所をサイクルデートの毎日であった
今思えば「娘との貴重な時間を大切にしなさい」という神様の教えだったのかも知れない
だってさ、最近
定休日に家に居るだけで
学校から帰ってきた娘に舌打ちされるんだぜ?
5年前のGWに一緒に笑ってサイクリングできたのは
本当に良い思い出(涙目
でその群発頭痛?そういや最近無いな
なんでも「加齢で発作が出なくなる」という奇病
俺も歳取ったって事かw
to be continued