2024/05/03
晴れ渡る空と心地良い気温
ここ更別は「現段階」では最高のコンディションである
AM6:30、十勝スピードウェイのゲートが開き続々と出場者達のクルマが駐車場になだれ込む
駐車場でも
出走準備するパドックでも
ロードバイクに跨って早7~8年
沢山いろんな人と会って、走って、笑ってきたお陰で
会場には沢山の知った笑顔があり最高に気分がアガる
ってか自分で写真ほとんど撮ってなかった
ほんとダメだね、ウカれ過ぎ
明日は200kmのブルベがあるから応援だけ…と来てくれたてつおさん
今度一緒に走ろうね!
今年のエントリーは相当多い
エキスパートクラス36名、一般男子36名、一般女子3名、チームは男子、女子、混成、エンジョイ含めて29チーム67名、合計142名もの参加者がいる
受付には長蛇の列ができ、試走時間が遅れるというちょっとしたトラブルもあった
試走が始まり選手たちはコースに出て思い思いのペースでウォーミングアップ
ふと右をみると…あっ!ちぶおさん!
今回は混成チームで参戦のちぶおさん
ちぶログ、ホント面白いんだよな
いつも楽しく読ませて頂いております
tibu-log.com
一人、どうにもおかしな挙動をしている選手がいる
ん?チェーン外れたのか?いや、違う
違うぞっ!なんてこった!
チェーンをクロス掛けしてバック踏んで進んでいるのだ
何故、これで走ろうとしたのかは判らない
何かトレーニングになるのかも聞いてみたが「自転車では使った事ない筋肉使います」
と笑っている、つまりトレーニングにもあまりならないって事だ
ますます判らないが、とにかく完走目指して頑張って欲しい
どんなに自転車愛に溢れたとしても、やまたけは多分やらない。多分
ホームストレートは強烈な押し風である
コーナーの多いセクションは向かい風基調ではあるが、カーブの度に風向きが変化し車体が安定しない
こいつぁなかなかの歯応えだ、やまたけやT嶋のような重量級のライダーはハンドル取られない様にだけ集中していれば良いが、クライマー系の軽量ライダーはバイクごとブッ飛ばされそうになっている
このセクションをどう走るかが大きな肝になりそうである
このレースにあたり、エキスパートクラス入賞者であるぽげサンことW井さんから事前に色々アドバイスを貰っていたが、大切なのはまさにここのパート、向かい風での走り方であった
スタート5分前!って時に
やまたけの左後方から「プシュ~~~~っ・・・」と嫌な音が
全員が顔を見合わせる
「え?誰だれ?」「俺ぢゃないよ」「ぢゃ誰だよ」
さながらエレベーター内で放った屁のような扱い
「あ…前輪が…」と気付いてしまったやまたけ
一人の選手のバイクの前輪があきらかに急速につぶれていく
残念無念ではあるが、スタート直後の混乱時でなくて良かったと思うしかない
直ぐに修理に取り掛かっていたのでそんなに痛手にはならなかったであろう
無情にもスタートの合図が響く十勝スピードウェイ
「よろしくお願いしまぁ~すっ!」
総勢100台を超える各車が一斉にスタートを切る
今年はエキスパートクラスも多い
先ずは先頭集団に乗っかるべく出来るだけ前方に出たい
左側から大きく回って中間の束をなるべくパスしようと試みる
第一集団は…どこだぁっ!?
第2コーナーを抜ける頃には団子状態の集団も少し縦に伸びて
より前方に視界を向ける余裕ができた…が
見えたぞ、トップ勢!うへぇ…
既にゴマにされとる
一週目から段違いの速さでブッ飛んでいくトップ勢
もはや、集団すら形成せずにグングン加速していく
は…速ぇ…速すぎる…
これは無理ゲーが過ぎると、集団でしばらくお世話になろうと潜り込むやまたけ
少し落ち着いたかなぁ…なんて考えていると一瞬の隙間を抜いて加速する選手が!
O野さんが単騎で加速!全く反応すらできず見送るやまたけ
数名が追うもO野さんの加速を追いきれない
「おぉ、マヂかよ…ハンパ無ぇ…」
その後、O野さんの姿は後方から抜かれるまで確認できず…
それにしても風が凄い、走行ラインが安定しない
バックストレートでの向かい風区間では、軽量なライダー達が苦戦を強いられる
自然と失速しにくいやまたけのような重くてデカいのが前方に出てしまう
「あ、このシチューション…W井さんが言ってたヤツだ」
向かい風区間で脚使わないようにっていってたぢゃんw
かといって一緒に減速してしまうってのも…とついつい踏ん張ってしまう
最終コーナーの立ち上がり、ようやく追い風ボーナス区間!って時に集団がその風に乗り加速!!
えぇっ!休もうよ!とボヤきながら必死で追いかける
追い風なのでドラフティングの効果はほぼ無いうえ、緩い登り
ここは軽量なライダーは得意なセクションになってしまっている
なるほど、これがW井さんのアドバイスね
今思えば、逆風区間で集団のスピードが相対的に落ちたとて、その中での順位に変わりは無いもんな…
「先頭に追い付こうぜ!」という集団の意思が合意形成されない限りは、この中での駆け引きしか必要が無いって事なのよね
数周にわたりこのような俗に言う「無駄脚」を使い、徐々にホームストレートでの集団の加速に追いつけなくなるやまたけ
第2コーナーまでに追い付いていれば、逆風区間をなんとかしがみついて追えたのだが
遂に単騎で逆風区間を走る事になるまでに引き離されてしまう
こうなるともう、一人旅の覚悟を決めなければならない
いかに「集団に留まる」という事が大切な事なのかを痛感する
まだ開始から1時間も経過していない
「あとは完走目指して、脚合いそうな人がいたらご一緒しよう」
補給ジェルを食いながら周回を重ねていく
じきに完全に速度域の異なる小集団にパスされる
「俺、止まってんの?」くらいの速度差である
せめて足攣ったりして途中止まらずにゴールまで行きたいもんだ
そんな時に後方から聞いた事のある声がした
「やまたけさ~ん!乗って乗ってっ!!」
振り向くと「13」のゼッケンをヘルメットに逆さに貼ったM上さんが自分の前方を指差して笑顔で手招きをしているではないか!?
「ありがてぇっ!」と加速してトレインに乗車完了!
とホッとした刹那、後方から
「やまたけさん、おかえり!!一緒に行きましょう!」とまたまた聞いた事のある声
チームNOTOSのM國さんだ!
周りをぐるりと見回すと、ロケッティアN島氏やM谷氏の姿もあるではないか
一周回った集団に皆のお陰で乗り直す事ができたのである
M國さんは抜き去る周囲のライダーにも次々に声掛けをして、集団を膨らませていく
「1人でも多く集めれば、その分楽に周回を重ねられます!」
少し縦に間延びしそうな時には先頭のペースを抑えたりと、実に集団のコントロールが旨い
「あぁ、愛の溢れた良きトレインに乗れた…」と安堵しながら周回を重ねていく
このまま12時まで走れれば完走は間違いない
しかしM國さんはチームエントリーなので、ほどなくして選手交代で集団から離脱
徐々に集団の形が崩れていく…
やまたけにこの集団をコントロールしきれるようなスキルは無い
気付けばバックストレートでの風除けからのホームストレートでの置いてきぼりという1時間ほど前に見た光景を見事に繰り返していたやまたけであった
レースも最終局面、残りは1時間を切っている
この辺りからはやまたけでも声掛け次第で集団をつくれるのを身を持って知っている
しかしなかなか脚の合う選手がいない
そんな中、一人の女性ライダーが後ろに付いた
向かうは逆風区間、俺も男よ
彼女も頑張って何度か先頭を交代しようと前に出るも
なかなか速度が安定しないので数周引き続ける
「ありがとうございます!次のホームストレートは私が引きます!」
おぉ、ありがたい!と声には出すものの
また置いて行かれる始末
もうね、学習能力ゼロw
その後はまた、単騎でのゾンビ走行であった
そしてどうにかこうにか迎えた12時!終わった!長かった!
周りの選手達と笑顔で交わす「お疲れ様でした!」の言葉
一番の感情は「楽しかった」であった
ピットに戻ると、今回初参加のT嶋とMr.チェレステK原クンの姿があった
二人とも無事に完走との事、素晴らしい!!
沢山の笑顔が溢れるピット、大きな事故も無く良い大会であった事を物語る
そして迎えた表彰式
一般男子、まさかの7位入賞!
やはり集団に乗れたってのは本当に重要な要素である事を痛感すると共に、引き入れてくれて一緒に走ってくれた仲間達に感謝しかない
表彰式では参加を重ねる毎に、知った顔が増えていく
乗り遅れたトレインからも回収されて思いっきり走れた
ホームストレートを通過するたびに「やまたけ!頑張れ!」と声が聴こえた
大会後も皆の素敵な笑顔に囲まれて「走れて良かった」と思えた
今回の大会で得られた結果というものは、今まで自転車を通じて知り合えた仲間達の応援や協力があっての事に他ならない
つくづく「1人では何も成し得ない」という事を痛感したし
「1人ではない事の心強さ」というものも経験できた
「今日のレースは100名を超える参加者がいた」という表現ではなく
「100名を超える人間のチャレンジ、協力、死闘がこの一つのレースに濃縮されていた」と表現したい
更別村に集まった参加者だけでもおよそ140名、応援やスタッフも含めた200名近い人間達が共に過ごした3時間には、何物にも代えがたい価値を感じるやまたけなのであった
今、自分の置かれた環境を「当たり前」と思うか「奇跡の積み重ね」と思うか
その考え方一つでも世界の見え方は異なるんだろうな
素晴らしい大会を開催してくれたスタッフの皆様
本当にお疲れ様でした!そしてありがとう
また来年もよろしくお願いいたします!ピース!